すごい買い意欲、くわばらくわばら

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東京株式市場は、すごい買い気の強さに包まれている。 まさに、くわばらくわばらである。

米国の金利上昇が収まってきたのでは、そういった希望的な観測に乗っての買い人気だ。

また、個人投資家の買い参入増加も、しきりに報道されている。

しかし、ここでの株買いなど、どう考えても危ういというしかない。

世界的なインフレ圧力に、イスラエルとハマスとの戦闘状態が乗っかってきた。

ウクライナでの戦闘に加え、中東での軍事衝突は地政学的なリスクを高めるばかり。

現に、原油価格は急騰している。 そこへ、ウクライナ支援で大量に消耗した軍事物資の増産がはじまっている。

この先、金利の引き下げ期待どころか、さらなる上昇も視野に入れておいた方がいい。

まあ、相場のことだから、どう転がるか知れたものではない。

加えて、昔からの相場格言で、「遠い戦争は買い」というのもある。

ともあれ、われわれ本格派の長期投資家からすると、こんなところで目先の株高に乗ろうなんてしない。

いつ大きな値下がりリスクに晒されるか、知れたものではない。

むしろ、せっかくの高値だ。 まだ売れるものがあれば、どんどん現金化しておきたい。

それにしても、金融界やマスコミによる個人投資家の新規参入を促すムードの高まりには、危ういものを感じる。

いわく、来年から新NISAがはじまり、個人資金が株式を大量に買ってくる。

その前に、つまり株価が大きく買われて上がる前に、株式を仕込んでおこうというわけだ。

そういった誘いは、まさに悪魔のささやきである。 日本株市場だけを見ていると、そのささやきに乗りたくもなる。

もちろん、金融界からすると、いま売買手数料などを稼げば、それで良しである。

ところが、こんなところで初めて株式投資に踏み切った人たちにとっては、悲惨なスタートとなりかねない。

せっかく株式投資をはじめるのだ、もっと安いところで買った方がいいと思うがね。