壮大なカネ余り上昇相場、その終焉

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相場の先行きは、神のみぞ知るの世界。 それでも、大きな流れは読める。

40数年越しの史上空前のカネ余り上昇相場が、いよいよ崩れ始めるだろうという読みだ。

世界的なインフレ圧力の台頭と、それを抑え込もうとする金利上昇は、実体経済からの刃である。

つまり、マネーの大量供給で膨れに膨れ上がってきた金融経済に対し、経済合理性が働き出したわけだ。

どんなにすごい経済展開だろうと、経済合理性には屈服せざるを得ない。

そう、インフレ圧力の台頭と金利上昇という実体経済の刃が突き刺さってきたのだ。

インフレ圧力も金利上昇も、経済合理性の刃であって、さすがのカネ余り上昇相場バブルも破裂するしかない。

具体的には、この20年ほどというもの、金融が実体経済を牽引する流れがどんどん強まってきた。

そこで積み上がってきた、様々な歪みが腫れもののように膨らんできて、あちこちで破裂しだしているのだ。

たとえば、金融の時代ということで、一部の高所得層への富の集中が異常に進んだ。

その横で、多数国民の低所得化が、先進国においてでさえも社会問題となっていた。

そんなところへ、世界経済のグローバル化が行き詰まり、コロナ問題などで世界の供給網が分断された。

40年越しの低インフレ時代に終止符が打たれたわけで、それが世界的なインフレ台頭と相成った。

世界的なインフレ台頭は、とりわけ各国の低所得層の生活を直撃する。

物価高で生活が苦しくなり、食えなくなってくれば、賃上げ要求が高まってくるのは、ごく自然の流れである。

世界中あちこちでの賃上げ要求は、コストプッシュ・インフレをより根の深い問題とさせている。

また金利上昇は、ゼロ金利をいいことに世界経済の3.5倍にまで膨れ上がった、世界のあらゆる債務を直撃する。

もういつどこで、1983年からずっと上昇を続けてきた世界の債券市場が大崩れに入っても、おかしくない。

また、金利コストの上昇は企業活動を中心に、じわじわと経営圧迫要因となっている。

企業の業績悪化となれば、バブル高してきた世界の株式市場も大きく売られよう。

唯一やっかいなのは、世界の機関投資家の大半が40年越の上昇相場しか知らないことだ。

彼らには、空前のマネー供給による金融バブル相場が、もう「あって当たり前」の感覚しかない。

それが故に、彼らはインフレ台頭や金利上昇を甘くみており、ここまでの上昇相場がまだまだ続くと信じている。

そういった彼らが、はじめて債券や株式市場の暴落に直面したときの、右往左往ぶりは想像を絶するものがある。

経済合理性の鉄槌を、はるかに凌駕した大混乱を引き起こすのだろう。