インフレというと、諸物価が高騰して年金生活者が困窮し、預貯金が大きく目減りする。　そういった図式が一般的な解釈である。

それは、インフレの最終段階というか終着点の社会状況を示すにすぎない。　インフレは、その前から始まっているのだ。

昨今のように、国や中央銀行が資金を大量にバラ撒いているということは、国が率先してお金の価値を下げているわけだ。

前代未聞の資金供給で、お金の価値はすごい勢いで下がっていっている。　ということは、もう立派なインフレである。

たまたま、現状はコロナ問題や感染阻止などで、世界中で経済活動は寸断され、どこもマイナス成長に陥っている。

需要は大きく落ち込み、デフレ気味の経済状況にある現在、どこを見渡しても物価が上がるような状況にない。

だから、インフレのイの字も感じられない。　そんな中、お金の価値がどんどん下がっていっているのは否定しようがない。

人は財産価値の目減りには敏感で、眼に見えて価値が下がっていくものを抱えたままでいるなんて、とても甘受できない。

たとえデフレ現象をいう現在でも、財産価値を守るべく「なにに資産をシフトしておこうか」で、眼を皿のようにしている。

いつかどこかで、価値がどんどん下がっていっているお金を、なにかに代えておこうとする動きは必ず高まってくる。

お金を、なにかに代えておこうとする動きが出始めると、あっという間に横へ連鎖していく。

そこから先は、教科書に書いてある通りの、インフレ到来である。　そうなってから慌てるのでは遅い。

いまのうちから、価値の下がっていっているお金、つまり預貯金から、その代わりとなる価値あるものへ資金をシフトさせておく。

これも、見事なる投資である。　そう考えて、さわかみファンドを世に提供しているのだ。

それを、できるだけ多くの人々に、できるだけ早く認識してもらいたいものだ。