今年のオペラは終わった。 もともと興行をやろうということで始めたわけではないが、採算的には大失敗だった。 およそ、2億1000万円の大赤字となってしまった。
理由は簡単で、経費がやたらと膨らんだこと、それに尽きる。 来場いただいたお客様の数は、平城宮でのオペラで昨年の2倍強と大成功だった。 だが、東京のガラコンサートなどの集客は低調だった、それが痛い。
一方、とにかく費用がかかった。 なにしろ、世界のオペラでも最大規模の「トゥーランドット」に挑戦したのだ。 昨年やった「道化師」の3倍という大編成のオペラである。
イタリアからだけでも200名強の歌手や演奏家、そして演出家など舞台周りの人たちを招聘した。 それでも、イタリア関連の支払いは昨年の1.2倍に抑えた。 その面では上出来もいいところ。
驚いたのは、国内のコストである。 舞台・照明・音響・字幕などで1億円近くかかった。 それ以外にも、日本人合唱・助演・通訳・会場費(サントリーホールと浜離宮ホール)・大型楽器の調達・衣装などで4900万円ほどかかった。
国内でのコストをどう抑えていくかが、今後に残された唯一の課題といっていい。 もちろん、今年の大赤字をどう資金繰りしていくかは、近日中に解決しなければならないが。
ともあれ、先々の展開が見えてきたのはありがたい。 奈良でのオペラでも、東京での室内楽もガラコンサートも、会場にお出でいただいたお客様のほとんどから最大級の賛辞を受けている。 良かった、感動した、思わず涙があふれてしまった、鳥肌が立った、、、、、、、。
本物を追求する強みというか凄いところが、ここにある。 さわかみオペラ財団が世界最高レベルの公演にこだわっているのも、本物の強みを知っているからだ。
さわかみファンドが、まさにその先行例である。 設定当初からずっと、本物の長期投資を訴えてきている。 それが、時間の経過とともに世の中の評価につながって、日本でも最大級のファンドに育った。
さらにさらに、さわかみファンドは伸びていくだろう。 なにしろ、本物の長期投資というものを知らない人が大半である。 その人達の間で口コミが広がりだしたら、あっという間に2兆円5兆円のファンドになっていくはず。
これが、本物の強みである。 時間の経過とともに、どれだけ本物かは白日の下にさらされる。 いわゆる時の審判というやつで、本物だけが残る。
われわれのオペラも興行主義を排して、とことん技術性の高さにこだわる。 本物の良さや感動は、それを実体験した人たちから口コミで広がっていくしかない。
昨年の「道化師」が、今年の「トゥーランドット」で2倍強のお客様につながった。 来年は今年の2倍3倍となっていく、そういった展開を続ければ、いずれ収入基盤は確立する。
もうひとつは、賛助会員の増加だ。 日本にオペラ文化を広めていこうとする、さわかみオペラ財団の本物志向に共鳴し、一緒に挑戦していきたいという仲間が末広がりに増えていってもらうことが重要である。
一刻も早く、賛助会員からの年会費でオペラ財団の経営が盤石になるようにしたい。 その先に見えてくるのは、どこか田舎に世界有数の歌劇場を建設することだ。
その時のために、いまから日本人の歌手や演出家、舞台監督といった人々を育てているわけだ。 これも、本物の追求である。
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