事業というものは、これを世に問うてみたい、こんなものを世の中のために実現したいといった思いと情熱があってのもの。 そういった夢や思いが世の人々に評価されて、はじめてビジネスとなっていく。
日本ではこんな事業をやってみようといった起業が少ない。 それでベンチャー支援とかがあちこちで叫ばれる。 今日も日経新聞に、経産省が1万社起業へ支援という記事が出ている。 若者らの小規模な起業を促すため、来年度から1社当たり数百万円程度の小口の助成制度を創設するとのこと。
申請するには事業計画をつくる段階から、起業経験のある経営者や金融機関、専門家の支援を受けるのが条件となるらしい。 いかにも役所の考えそうな起業支援策である。 同じ記事にあるように、配り方に工夫をしなければバラマキになる恐れは十分にある。
助成とか補助金とかの制度はあってもよい。 しかし、その適用を受けるには、役所が定めた書類等のチェックを通過しなければならない。 申し訳ないが、役所の人達にはビジネスの経験はおろか、起業の苦しさも味わったこともない。 そんな役所が求める書類審査はガチガチに固苦しかったり、妙なところに抜け穴があって一部の人達を利するだけとなるケースが多い。
一例が、バブル崩壊後に打ち出された信用保証協会による中小企業の助成制度だ。 総額で40数兆円に上った助成予算だったが、その多くは中小企業の資金繰り支援ではなく、銀行の債権を肩代わりさせられるだけとなった。 本来の目的から大きく離れて、一部の人達を利することになる予算のバラマキの典型例だった。
こんなことを延々とやっていては、国の財政はどんどん悪化する。 同時に、予算に群がる人達を増やすだけとなる。 バラマキ経済から脱し、真に起業を促すのなる、やり方を考え直さなればならない。
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