超のつく大急ぎで書き上げた新著、今朝早く脱稿して、今夜ゲラが上がってくるのを待つのみ。
週末に徳島でオペラ公演を主催するが、その合間を縫ってゲラのチェックをする。
月曜日までに、2度のゲラチェックを終えて、火曜日には印刷所へまわす段取りとのこと。
年内の出版を目指し、出版社とギリギリのスケジュールで突っ走ってきた。
なにしろ、書名が「大逆回転前夜」で、世界の金融マーケットが大崩れに入る前に出したかった。
どうやら、間に合ったようだ。 急いだのは、新著の売れ行きに影響するから?
否。できるだけ多くの人に読んでもらって、バブル崩壊の荒波を上手く乗り切ってもらいたいからだ。
株価はじめ多くの金融商品がバブル高している間なら、いくらでも売れる。
しかし、バブルが弾けたら、もう売れない。 バブル買いの反動で、とんでもなく大量の売りが殺到する。
だから、現在進行中のバブルが大崩れに入る前に、できるだけ多く人に売っておいてもらえればと願ってのこと。
新著でも書いたが、多くの人はリーマンショック後からの、17年越しの株価などの上昇と考えている。
だが、よくよく振り返ってみると、米国株でいうと1982年8月からの上昇で、かれこれ43年越しの株価上昇である。
その背景には、73年10月の石油ショックからの大量の資金供給、つまり世界的な過剰流動性がある。
そこへ、80年代に入ってからずっと膨れ上がってきた年金マネーによる株や債券買いが乗っかってきている。
このふたつが巨大な岩盤となって、株式市場はじめ世界の金融マーケットを大きく押し上げてきたわけだ。
その間に、世界経済全体でみるに金融ビジネスの大発展の横で、多くの国々で低所得化と貧困化が進んでいる。
それが世界中あちこちで地政学的リスクを高め、根の深いインフレ圧力となってきている。
どれも世界経済にとっては、マイナスの要素であり、金利上昇にもつながっていく。
すなわち、ずっと続いてきたカネ余りバブル高が、もういつ崩れに入ってもおかしくない状況にあるのだ。
そして、今度バブルが弾けたら、リーマンショック時のような、国や中央銀行総動員の暴落対策は打てない。
国が大量の資金供給するにしても、国債発行の金利が上がってきているし、さらに押し上げてしまう。
中央銀行が国債や住宅ローン債権などの無制限買い取りで市中に資金をバラ撒くのは、インフレの火に油を注ぐだけ。
つまり、国も中央銀行もまたく打つ手なしの状態なのだ。 したがって、とんでもない売り地獄となる。
インデックス運用の神話は崩れ、大混乱の中でわれわれ本格派の長期投資、すなわちアクティブ運用が大復活する。
まあ、とにかく読んでみてください。
