おそらくだが、もうそう遠くない将来に世界のマーケットは大崩れに入るのだろう。
歴史に例を見ない超カネ余りバブル高のマーケットが、いよいよ終焉を迎えるのだ。
ずっと前から主張してきているように、世界の金融マーケットは、もういつ崩れ出してもおかしくない。
ここへきて、世界の株価はピンポン玉のように跳ね上がっているが、まさにバブル現象そのもの。
その横で、いずれの大崩れを予感させられる悪材料の数々が、鎌首をもたげてきているのだ。
世界的にみて根の深いインフレの台頭や金利上昇、経済の成長率鈍化や低所得化といった問題が顕在化してきている。
それらの問題を増幅させるかのように、ディール(取引き)政治を専らとするトランプ政策の乱発ときた。
世界各国に対し、個別に課すトランプ氏の関税率引き上げは、世界の生産供給チエーンをズタズタにする。
戦後世界経済を支えてきた自由貿易体制によるインフレなき成長にブレーキをかけ、低成長と物価高を招くのは避けようがない。
どれも企業の収益動向には重荷となって、これから徐々に表面化してくる。
どう考えても、株高に浮かれている状況にはないが、投資家たちはやたらと強気になっている。
われわれ本格派の長期投資家からすると、金融マーケットの大崩れは想定内だが、「その後」もそろそろ考えておきたい。
それが、本題の「大逆回転」だ。 カネ余りバブル高のマーケットが大崩れに入ると、凄まじい売りが殺到する。
これだけバブル買いしてきた金融マーケットだ、株価上昇などをベースとした与信による、さらなる買い増しがびっしりと上値で織り重なっている。
それらが売り地獄に陥るや、もはや売るに売れない状況となり、株価など金融全般の価格がどんどん下がっていく。
株式など投資勘定の資産価値が蒸発したように消えていくわけで、どの投資家も打つ手なしの状況に叩き落される。
それを資産デフレというが、90年代に入って日本のバブル崩壊では、地価と株価の下落で日本経済の2.2~3倍の規模の富が蒸発した。
今回のバブル崩壊は世界全体で、カネ余りの規模もはるかに大きいから、想像を絶する資産デフレとなろう。
個人投資家はもちろん年金などの機関投資家も、大損と売るに売れない投資残に苦しむことになる。
いまでこそ、あり余っているマネーだが、一気に収縮し金利は跳ね上がる。
政策金利ではなく市場金利の上昇は、それでなくても借金まみれの国の財政を一気に窮地に陥れる。
その他、いろいろな問題が噴き上がってくるが、それらが新事態として世界経済は受け入れるのを余儀なくされよう。