われわれ本格派の長期投資家は、いつもマーケットとはつかず離れずのスタンスを守る。
その上で、将来的に価値が高まっていくであろう投資対象が、ちょっと安すぎるのではと思ったら、さっさと買う。
高くなり過ぎたなと判断すれば、適当なところから売り上がっていく。
決して、マーケット動向にどっぷりと浸って、安値の目途はどのあたりだろうかなんて考えない。
また、高値を追いかけて、「この買いエネルギーは相当に強い。もっと高値を期待できる」なんて欲は出さない。
とにもかくにも、マイペースの投資を守り、マーケット動向とは一線を画した行動を心掛ける。
そして、「安く買っておいて、高くなるのを待って売る」のリズムを、絶対に崩さない。
この投資哲学を貫けば、荒れだしてきた最近の投資環境にも、余裕を持って対処できる。
たとえば、世界の株式市場や債券市場を横から眺めるに、歴史的なカネ余りに乗って、ずいぶんと高値追いしてきた。
ということは、こんなところで、買うなんて考えられない。 むしろ、高値のうちに、どんどん売り上がっていく。
ただ、すべての企業の株価が上がっているわけではない。 個々の株価でみると、バブル高とは無縁の企業もある。
長期投資で応援したい企業なのに、株価でみると、さほど買われてこなかった、むしろ安くなっている。
そういった企業の株式だったら、安値をどんどん拾っていったらいい。
一方、債券市場はインフレ圧力の金利高が続いている間は、絶対に手を出さない。
これが長期投資である。 マーケットにつかず離れずだったら、いくらだって自分の投資リズムを守れるではないか。
ちなみに、円高に振れてきたということで、株式市場は荒れ気味となっているが、別にどうってことない。
円高がどこまで行くのか、単に一時的なものなのか、などといった憶測に神経を尖らすことも無用。
カネ余りに乗って、バブル高してきた株価全般は、どっちみち下げるだけのこと。
なにしろ、世界的なインフレや金利上昇が企業収益を圧迫しだすのは、これからだ。
となれば、業績悪化で株価は下がることはあっても、上値追いの可能性はほとんどない。
だから、われわれ本格派の長期投資家はずっと売りを唱えてきたわけだ。
ここへきての株式市場の荒れ模様に驚くことはない。 むしろ、ようやく始まったかぐらいの捉え方だ。
それよりも、これから本格化するマーケットの大荒れに、多くの投資家や市場関係者が右往左往するだろう。
その様を眺めながら、マイペースの長期投資と、リズムを守ることの大事さを再確認しよう。