週末は、全国で展開している熱中小学校の中でも、とりわけ元気一杯の山形県高畑町へ行ってきた。
7歳の頃に戻った気持ちで、いろいろ学んでみようというのが、熱中小学校の活動目的である。
地元の中高年の人たち中心に80名を超す参加者で、廃校を活用している高畑熱中小学校はワイワイと賑やかだった。
自分は社会科の担当で、地域経済活性化をいろいろな実例をあげて語った。
50分ほど話した後の質疑応答が、異常に盛り上がった。 次から次へと質問が飛び出てくる。
こちらの応答に対して、すごく真剣な反応が戻ってくる。 とりわけ反応が強かったのが、「地元で、お金をまわそうよ」だった。
地元の人たちが地元で、どんどんお金をまわす。 そのお金は地元の誰かの手に移り、それがさらに別の誰かにまわっていく。
この循環で地元経済は動きを高める。 それが地域経済の活性化となっていき、まわりまわって地元の人たちの収入増加につながる。
別に新しい産業を興すとか、大きな事業を企てるとか、教科書通りの経済活性化など考えなくともよい。
そんなの、ほとんどの地域では無理。 人もいないし、大きな事業を展開するほどの商圏も社会インフラも整っていない。
しかし、お金をつかうことだったら、すぐにでもできる。 どうせ、預貯金にため込んでいたとて、利子なんてないも同然で殖えやしない。
といっても、毎日の生活でそれなりにお金をつかっている。 そこを超えて、つまり生活消費を超えて意識的にお金をつかうのだ。
早い話、なにもかも郊外店でという最近の流れにちょっとブレーキをかけ、あえて地元のお店で買い物をするのもよし。
そこで会話している間に、ちょっとした資金ニーズの話が出てきたりする。
その資金ニーズに、少額ずつでも皆で応えてあげることで、お金をまわすことができる。
まわしてあげたお金が地元の商店や企業を元気にさせ、地元経済活性化の一助となる。
もちろん、文化・教育・芸術・スポーツ・新技術・寄附・ NPO ・ボランティアといった分野で、楽しみながらお金をつかうのもよし。
地元の人々にしてみれば、貯め込んできたお金を、それぞれ好きな分野につかうだけのこと。
つかわれたお金は着実に、そういった分野で仕事している人たちの収入となっていく。
この流れが少しずつでも大きくなっていけば、新しい産業を生み出すことにもなる。
そう、地方でも文化や芸術・スポーツを楽しむ人たちが増えれば、自然発生的に産業を創出できるのだ。
イタリアの小さな田舎町には、驚くほど立派なオペラハウスがあちこちにある。
オペラが好きな人たちがみなでお金を出し合ってオペラハウスを建設し、毎週末オペラを楽しんでいるわけだ。
別に、ミラノとかローマに行かずとも、イタリアトップレベルのオペラを地元で楽しめる。
そういった贅沢が、いとも簡単に実現できるのだ。 皆が、ほんのちょっとお金をつかいだすことで。