先週の続きになるが、バブル崩壊後の経済政策で決定的に欠けていた点がある。
それは、日本経済の成熟化が進んでいるという観点であろう。
みなが上昇軌道に乗れた高度成長期とは違って、
経済が成熟化するにつれて成長率も鈍化し、
企業においても適者生存と優勝劣敗は避けて通れなくなる。
それなのに、銀行もゾンビ企業も潰してはならないの一点張りで、巨額の予算を投入し続けた。
競争力を失い淘汰されていくのは時間の問題といった企業を延命させようと、
やみくもに資金を投入したところで死に金になるだけてある。
生き残りたいかどうかは、企業それぞれの判断と意欲に委ねればよい。
銀行救済にしても、決済業務と与信業務だけ新勘定に移して、
不良債権処理などは旧勘定として経営者や株主に責任を取らせればよかった。
国庫負担もはるかに少額で済んだはず。
税金で生きているようなゾンビ企業に更なる資金投入など、もっての他である。
そんな荒療治に走ると、失業が大量発生する?
違う。
成熟経済の活性化は、いま動ける人や企業にどんどん前向きの行動に入ってもらい、
そこで新しい産業や雇用を創出させるところがみそである。
そちらへ予算投入するのなら、いくら巨額の資金でも構わない。
日本経済に新しい活力をみなぎらせるのだから、いずれ税収入となって国庫へ戻ってくる。
日本にはベンチャーマインドや企業家精神がかけている?
そんなことはない、政策次第だ。
いま動ける人や企業を動かすには、大幅な規制緩和と減税が一番。
どうぞ自由に企業家精神を発揮してください、早く動いて新しい富を築き上げた方が得ですよ、
そう言ってやれば誰だって動き出す。
それで日本経済が元気を取りl戻し、新しい産業や雇用が続々と生まれれば、みなが幸せとなる。
実に簡単なことだが、利権や既得権益を握っている人々にとっては嫌な話である。
その辺りが、日本経済の活性化を阻んでいるのが現状。
これをどう打破するか?
選挙で民主的に変革していこうというのが一番だが、どうも時間がかかりそう。
やはり、見切り発車の考え方で、
民間サイドで動ける人からさっさと動き出して、日本経済を元気にしていこう。
そのうち政治が変わってくれれば、さらに良しだ。
そこで鍵となってくるのが長期投資である。
個人や家計が預貯金で抱え込んでいる資金の一部を、
自分の意思と思いを実現していく方向で頑張っている企業を応援すべく、
その企業の株購入に投入してやるのだ。
自分の資金を自分の判断で動かすだけだから、今すぐにでも行動に移れるはず。
株を買うだけでも、日本経済の現場に資金投入となり活性化につながる。