株式投資は株価を追いかけるのではなく、企業の将来成長を買うものである。
株価を追いかけては、安いところを買い高く売って儲けようとするのが、一般的な考え方である。
それは株式投資ではなく、株式のディーリング売買というものである。
なぜなら、株価なんてものは買う人が多ければ上がるし、売りが集中すれば下がる。
そういった株価の上げ下げを上手くとらえて、売買値ざやを稼ごうとするには瞬発力が問われる。
相手にするのは、上がったり下がったり変動きわまりない株価動向だ。
それを的確にとらえて値ざやを取っていくには、動物的な俊敏さが欠かせない。
一方、投資においては作物を育てるような、じっくりとした取り組みが求められる。
米作りでいえば、春まだきの頃に田んぼを掘り起こして、土を空気に触れさせてやる。
次に、田んぼに水を張って、水がぬるむのを待つ。 同時並行して、苗を育てはじめる。
気温が上がってくる晩春から初夏にかけて、いよいよ田植えだ。
田植えが終わった後は、梅雨時の水をたっぷり吸収し、夏の陽ざしを存分に浴びさせてやる。
秋風が吹きだして、大きく育った稲をいよいよ刈り取り、ようやく収穫となる。
その間、稲が育ってくるまで、田んぼの雑草を取ったりしながら、じっくり待つ必要がある。
時間はかかるが、実りの秋を待てば、それなりの収穫が期待できる。
たとえ、その年が空梅雨だったり、冷夏に襲われても、秋にはなんらかの収穫が得られる。
これが、投資である。 時間のエネルギーをいただきながら、じっくりと実りを待つのだ。
その間、株式投資でいえば、マーケットの価格変動に振り回されないことが肝心である。
これはと思う企業の将来成長を楽しみにしながら、じっくりマイペースで、その企業を応援していくのだ。
なんらかの加減で株価が大きく下げた時が、田植えのタイミングである。
たっぷりと買い仕込んだ後は、株価が大きく実ってくるのを、のんびりと待つことだ。
待っている間、マーケットでは上がったり下がったりと騒々しいが、それに踊らされずにマイペースを貫く。
マーケットでの価格変動などには眼もくれず、ひたすら自分のわがまま投資を押し通す。
そして、株価が大きく跳ね上がってきた頃合いを見て、利益確定の売りを出す。
このリズムを守るのが、株式投資の要諦である。 いつ実ってくるかわからないから、長期投資のスタンスでいく。
その間、ずっとマイペースで、わがままの姿勢を貫いていい。 それが、長期投資である。