この一カ月あまり、日本株市場は驚くほどの活況を呈し、33年ぶりの高値をつけた。
いよいよ出遅れていた日本株市場の出番がまわってきたと、市場関係者は色めきだっている。
強烈な上昇相場を初めて経験した若い投資家たちも多く、メディアも株式報道にやたら力が入っている。
と意気込んできたら、今週に入って売りが多くなって、下がり気味の相場展開となっている。
さあ、どうしたものかと投資家の多くは悩ましい顔して、株式市場の値動きを注視しているところだろう。
相場追いかけ型の投資家は、いつでも悩ましい状況下に身を置くことになる。
買うべきか、売るべきか、さてこの先相場はどちらへ転んでいくのか、実に悩ましい。
そういった悩ましい投資家の多くは、株価など相場が上がるのを確かめて、どどっと買いに転じる。
それが先週までのような、最近にないような強烈な上昇相場を示現させたわけだ。
とはいえ、過半が株価追いかけ型の投資家による大慌ての飛びつき買いである。
これといって明確な買い根拠も意思もない。 それで、株価の上昇が止まると、早くもどうすべきか悩みだす。
彼らからすると、株価がまだまだ上がるのなら買い参加したいが、下がるのなら売り逃げたい。
日和見といえばそうだが、それが相場追いかけ型の投資家の行動パターンである。
その点、われわれ本格派の長期投資家は明確な意思をもってマーケットに参加している。
明確な意思? そう、生活者にとって大事な企業群をとことん応援していくという意思だ。
応援しようと言っている以上、株価が上がるのをみて意気込んで買い参加するなんてのは、あり得ない。
それは株価上昇を応援しているだけで、将来を創っていこうとする投資家としては、恥ずかしいもいいところ。
応援するのなら、皆がボロクソに売っている株価暴落時ほど、長期投資家の意思表示として買いにいく時だ。
したがって、先週までの株価上昇や、33年ぶりの高値など、目先の相場を追いかける投資家にまかせておけばいい。
そして、好きなだけ悩んでもらったらいい。 その挙げ句に、投資は難しいとかリスクが多いと嘆いてもらおう。
一方、生活者にとって大事な企業を応援するという投資姿勢であれば、目先の株価上昇一服に悩むこともない。
どっちみち買うのは、大きな株価暴落を待って、断固たる応援買いに入るだけなんだから。
もちろん、ここまでのカネ余りバブル相場下でも、株価が売られて下げている企業なら、いつでも応援できる。
ともあれ、われわれ本格派の長期投資家は自分の考える企業応援の投資をていねいかつ地道に続けていこう。