NY市場も日本株市場も、急ピッチで株価が戻り歩調に入ってきている。
コロナ問題で企業の業績は相当な悪化が見込まれ、それがこれから次々と発表されるというのに、すごい株高だ。
どうみても、金あまりのバブル現象である。 買い上がる材料は、これといって何もない。
ただ、株価の上値が軽い、資金はたっぷりある、だから買っておこうといった、完全にバブル高である。
なにしろ、コロナの感染対策で、各国はタガの外れたような資金バラ撒きに踏み切った。
ここまでで、先進国中心に発表された対策予算だけでも、世界のGDPの10%にあたる巨額さである。
その資金が、各国の生活者支援や商店・企業の資金繰りなど、緊急対策費として投入されている。
この緊急時だ、これといった反対もなく、とんでもなく巨額な資金が経済の現場に放り込まれるのは間違いない。
コロナ問題が収束ないしスローダウンの段階に入れば、大量にバラ撒かれた資金が暴れ出すのは、もう予定されたようなもの。
それが、早くも表面化してきたような展開となっている。 これは、きわめて質の悪い株高である。
いくら株価が将来を先取りするとはいえ、景気の回復や企業の業績向上は、まだずっと先のこと。
それどころか、これから経済ファンダメンタルズの悪化が、数字となって次々と表面化してくるのだ。
したがって、こんなバブル株高はそう長く続くはずもない。 なにかの加減で、どどっと売られよう。
そうはいうものの、金あまりの度合いが半端ではない。 意外と高値を追い続けて、強烈なバブル高となることもあり得る。
とはいえ、バブルはいつか必ずはじける。 さあさあ、この先の展開をどう読んでいくのか?
機関投資家を含め、多くの投資家は悩ましいところだろう。 われわれ長期投資家は、別に悩むことはない。
いつも通り「大きく下がったら買い、噴いてきたら薄く薄く売り上がっていく」のスタンスを続けるのみ。
ともあれ、面白い展開となってきた。