金利が暴れ出すと

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日米とも10年物国債でみた、長期金利の上昇ピッチが上がってきている。

日本の10年物国債の流通利回りが2.8%と、1996年10月以来およそ29年半ぶりの高水準をつけてきた。

米国の10年物国債も4.592%と、じわじわと上がってきている。

長期金利が上昇してきているのは、それだけ10年物国債が売られていることを示す。

イラン紛争やホルムズ海峡封鎖を受けて、原油はじめ石油関連製品の供給減からインフレ懸念が高まっている。

それを受けて、長期金利は上昇傾向となってきているのだろう。

債券保有者からすると、インフレ懸念の台頭で、より高い利回りを求めた乗り換え売りを急ぎたくなる。

そんな動きが出てきての長期国債の売り、つまり流通利回りの上昇となってきているのだろう。

もっとも、長期国債の売りといっても、まだ大したことない。 債券投資家もちょっと身構えたぐらいの感じだろう。

いずれみられるであろう本格的な債券売り局面となるや、売りが利回り上昇を招き、それがさらなる売りを誘う連鎖となる。

そして、あっという間に長期金利は急騰してしまう。 もちろん、債券価格は暴落する。

1987年にタテホ化学ショックというのがあった。  夏に10年物国債の流通利回りは、2.5%~2.6%だった。

それが、4か月後の87年の年末には、6%台へ跳ね上がったのだ。 凄まじい国債売りの連鎖だった。 39年前のことだ。

債券相場が崩れると、もう一方通行的な下げとなる。 売りの連鎖の恐ろしさを如実に示してくれた。

ところが、世界でみると、1983年から長期国債利回りはずっと低下傾向を続けてきた。

その間、ゼロ金利政策とかで債券相場はずっと上がり続けた。 2022年から金利は上がりだしてはいるが、まだ大したことない。

なんと、この43年間というもの、世界の債券投資家は債券価格の下落というものを、一度も経験していないのだ。

というか、世界の債券投資家のほとんどは債券が下落するなんてこと、まったく想定していない。

それもあって、債券投資は安全と思い込んでいる。 彼らは最近の長期金利上昇にも、さほど警戒感を高めていない。

そんな彼らが、どこかで債券保有にリスクを感じて一斉に売りはじめたら、世界の債券市場は大逆回転に陥る。

まだ、ちょっと早いが金利が暴れ出した時の混乱は、とんでもない大騒ぎとなろう。

なにしろ、世界の総債務は352兆ドルと、世界経済の3.5倍にもなっているのだ。 (国際金融協会)

売りの連鎖が始まると、つまり金利が暴れ出すと大変なことになる。 それも、頭に入れておこう。