物価上昇の圧力が生活を脅かしている。 そこへイラン情勢の悪化で、原油や石油関連製品の価格高騰が乗っかってきている。
30年余り続いたデフレ現象から脱皮してのインフレ圧力だから、日本の家計への心理的な影響力も無視できない。
そのインフレだが、相当に根深いものがあると覚悟しておこう。 案外と大きなインフレが世界経済にのしかかってくるかも。
そもそも、1980年代半ばからずっと進化していった世界経済グローバル化の波に乗って、世界的な低インフレが続いた。
日本など先進国は工業製品や農産物の低価格と安定化、すなわち低インフレを満喫してきた。
新興国や途上国でも、先進国資本の進出による工場や農園の建設ラッシュで、一時的には潤った。
しかし、ひとたび工場や農園が建設されると、工業製品や農産物をより安く調達しようとする資本の論理が働きだす。
より安くつくれ、さもなくば他へ生産を移すぞという圧力を受け続けて、新興国や途上国では低所得化や貧困化が進んでいった。
いわゆる富の収奪が進み、世界あちこちで根の深いインフレ圧力や、地政学リスクとなって表面化してきているわけだ。
そこへ、コロナ感染危機で世界のサプライチェーンが分断され、ようやく落ち着いてきたところへトランプ関税ときた。
また今回のホルムズ海峡封鎖でも、原油はじめ石油関連製品の物流が滞って、いずれインフレ圧力となってくる。
そんなわけで、多くの人々が庶民感覚でインフレへの対応というか備えを意識しだしている。 資産防衛だ。
インフレ到来となれば、預貯金者と年金生活者が一番の打撃を受ける。 それは、いまさら指摘するまでもないこと。
もちろん、インフレとなれば金利も上昇する。 しかし、預貯金の利子はいつもインフレを後追いするから、財産は目減りする。
次に債券保有だが、いくら元本が安全といっても、満期償還を受ける時にはインフレで元本は目減りしてしまっている。
なら、株式はどうか? インフレの嵐と金利急上昇に曝されると、多くの企業の業績は悪化する。
そうなると、玉石混淆の運用となっているインデックスファンドなどは、弱い企業の株価下落に足を引っ張られる。
残るは、インフレとなっても、それに乗って業績を拡大していける企業だ。 であれば、インフレ到来でも怖れることはない。
そこはアクティヴ運用の世界。 そう、われわれ本格派の長期投資家からすると、ごく当たり前の株式投資を続けていくだけのこと。
