最近、立て続けに「投資なんて、まるで遠い世界」と思っていた人達のセミナーをやっている。
いずれも、「どう、まともに生きていくか」を考えようよ、といった集まりである。
そこで、「皆まじめに働いて頑張っているじゃない」と、話をもっていく。
そして、「では、お金にも働いてもらっている?」と尋ねると、皆キョトンとした顔する。
次の瞬間、「お金に働いもらうって?」と、がぜん興味を示す。
「真面目に働いてもらうのが右足」で、「お金に働いてもらうのが左足」よ。
「右足と左足の二つの働きで、しっかり堂々と生きていく」のよ。 「その方が、より確か」だよね?
みな納得顔で、「で、お金に働いてもらうって、どんな風に?」と、すぐさま質問が飛び出す。
そこで、こちらは念を押す。 「お金に働いてもらうっていっても、投資しようじゃないよ」とね。
すると、多くの人たちがますます安心顔で、「では、どんな風に働いてもらうの?」とくる。
そこからしばらくは、一般的に投資といわれているものには手を出すな、絶対にやってはいけないを説明する。
なぜダメかというと、「お金を儲けよう」「お金を稼ごう」にシャカリキとなるからだ。
皆さん、真面目に働いて生きているよね。 しっかり働いた結果として、お給料など報酬をいただける。
それって、当たり前のことだし、右足は何の疑いもなく、まじめに働いてもらっているじゃない。
だったら、左足に「儲けてこい」「稼いで来い」というのはないよね。 だから、一般的な投資はダメなのよ。
そう説明してくると、「では、お金に働いてもらうって、どういうこと?」と具体的な説明を求めてくる。
生活者として大事な、なくなっては困る会社を応援することよ。
毎日の生活で、「どうせ買うなら、この会社の製品を」で、売り上げに貢献する。
もうひとつは、株式市場の暴落などで、「その会社の株式が大きく売られたら、応援株主になる」ことよ。
このふたつを、きっちりとなっていけば、左足は立派な働きをしてくれることになる。
しばらく前に情け容赦もなく売っていた人達が、「儲かりそうだ」とガツガツ買ってきたら、「応援を彼らにまかせよう」と売っていっていい。
どうせ、彼らは何かあるとすぐ売り逃げに走る。 その時は、また応援株主として買いに行くのよ。
この作業を単純に繰り返していくだけで、立派な応援ができる。 また、「安く買っておいて、高くなって売る」を繰り返している間に、お金は少しずつ増えていってくれる。
この、左足の働きを続けている間に、資産形成も進んでいくよ。
こんな話をしてあげると、「では、早速やります」と、明るい顔で応えてくれる。
そんなセミナーが、多くなってきたのだ。 投資のㇳの字もなく、皆さん長期投資仲間となってくれる。