ハマスによるイスラエル攻撃で、ガザ地区での戦闘は激しさを増している。
それに対し、中東のアラブ諸国やイスラム圏と西側の諸国とが、それぞれの支援を表明している。
ひとつ間違えると、中東紛争に発展していく懸念も浮上してきている。
一方、ウクライナでは、もう1年8か月も戦闘状態が続いている。
侵攻を受けたウクライナにとっては迷惑千万だが、攻め込んだロシアも疲弊が目立っているとのこと。
いつの戦争や紛争でも、為政者など当事者たちは、それぞれの価値観や主張を、暴力で表現して止まない。
その横で、一般生活者はえらい迷惑を蒙り、生活はズタズタにされ命の危険にも曝される。
考えるまでもなく、戦争など絶対にあってはならないこと。 憎しみや復讐心が残るだけである。
ただ、経済という側面に限ってみてみると、戦争は短期的に多くの消耗を発生させるというプラス面がある。
大量の消耗が発生すれば、それを補充しようとする供給需要が高まる。
現に、ウクライナ戦線では大量の弾薬やミサイルなど軍事物資が、猛烈な勢いで費消されてきた。
ウクライナ防衛を支援する西側諸国も、攻め込んだロシア側も軍事物資の補給と補充に苦労しだしている。
それは取りも直さず、新たなる生産需要の発生となる。 兵器産業などにとっては戦争特需となる。
この戦争特需は、古い兵器の在庫一掃と、新たなる兵器の開発生産につながる。
つまり、兵器産業にとっては願ってもない展開で、ビジネスを拡大できるのだ。
そういった背景もあって、軍需産業を手掛けている企業をして、昔から死の商人といわれてきたわけだ。
あまたの紛争や戦争の裏では、死の商人たちが暗躍しているのも、歴史の証明するところ。
厄介なのは、国家が死の商人を演じて景気浮揚につなげようとすることもしばしば。
それがナチスに代表される、国家ぐるみの軍需産業強化でもって経済を活性化させる図式だ。
また、米国を筆頭にロシア・英国・フランス・中国など主要各国は軍事物資の輸出を強化させている。
そういった軍事物資の供給が、まわり回って世界あちこちでの紛争や戦争の激化につながっているわけだ。
こう考えてくると、人間の性(サガ)というしかないのかも。 動物の世界では、戦争なんてない。
この人間の性に、どうやってブレーキをかけるかだ。 さもないと、核戦争で全滅に至るだけだ。