各国政府や中央銀行は前代未聞の規模とスピードで、お金をバラ撒き続けている。
コロナ対策として否応なしの処置で、一刻も早い生活基盤が正常に戻り、経済活動の復活が急がれる。
ただ、これだけ大量の資金バラ撒きは結果として、お金の価値を大きく引き下げてしまうのは間違いない。
お金の価値が下がって、最終的にはモノやサービス全般の値段が上がっていく、つまりインフレということになってしまうのだろう。
その前に、お金の価値だけが下がっていって、なにが価値あるのか判断に困る混乱状態を覚悟しよう。
早い話、世界経済の成長がマイナス5%を超すと予想される現状では、経済活動の縮小つまりデフレ現象を懸念する向きが大半である。
つまり、インフレなんて全く想定できない。 それが、世界の現状であろう。
ところが、お金の価値がどんどん下がっていくとなると、価値判断の尺度そのものが判らなくなってしまう。
さあ、どうするか? 経済活動全般はデフレ気味であるが、かといってお金の価値はどんどん下がっていくのだ。
たとえば、いま株価はバブル高しているが、高値追いしている株価の金銭的価値が下がっていく姿をイメージしてみるといい。
株価が上がった、儲かったと喜んでいても、手にした現金の価値がどんどん下がっていくのだ。 ちっとも嬉しくないのでは。
では、価値の下がらないものは一体なんなのだろう? 金投資? インフレにも強いし、金は最強の価値では?
たしかに、金は夜逃げする時などに、いつでも換金できる資産、つまり Last Resort (ラストリゾート)としての価値は抜群である。
ただし、金価格は相場次第で上がったり下がったりする相場ものであるということに変わりはない。
どんな状況下でも価値あるものとなれば、人々の生活を支える農作物をはじめとした、生活物資全般の生産価値だろう。
そういった企業への投資、つまり株主になっておくということは、いつどんな状況下でも価値がある。
つまり、われわれ長期投資家の拠って立つところである。 さわかみファンドが、決して崩さない運用の方向性である。
そうなのだ、世の多くの人々が挙って「さわかみファンド丸」に乗船してもらえれば、皆で価値ある旅を続けられるといえよう。
その横で、この状況下にあって寄付などでお金をまわすことは、多方面の方々から大いに感謝される。
人々から喜ばれるというのも、価値のあるお金のつかい方である。 どんどん寄付しようじゃないか。