人気株投資は株式投資の醍醐味だが

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今日は一般的な株式投資と、資産形成のための投資との違いについて書こう。

一般的な株式投資の中には個人投資家や、一部のアクティブ運用にこだわっている機関投資家も含む。

大多数の機関投資家は毎年や四半期ごとの運用成績に追いまくられるあまり、自分の投資判断を棄てている。

つまり、マーケットから一歩も離れない運用でもって、ひたすらディーリング益を積み上げていこうとする。

それは資金運用といって、マーケットでの価格変動を相手に、如何に多くの売買益を叩き出していくかが問われる。

下手な投資判断はせず、マーケットに追随していくだけ。 だから、年金など運用委託先への報告も無難である。

そういった資金運用などは、コンピュータにやらせておけばいいから、無機質な株価追いかけ運用となってしまう。

一方、まともな投資運用では、株式投資の対象となる企業の選別からして、多種多様な判断が盛り込まれていく。

そこでは、人気株となるであろう銘柄を発掘したり、株価の上昇に飛び乗っていく醍醐味が満載である。

この醍醐味にはまってしまうと、もう株式投資は病みつきとなって止められない。

現に、昨年後半からの株価上昇から最近の最高値更新相場では、一部の銘柄が大出世した。

そういった出世株にいち早く買いを入れて、その後の株価急上昇を満喫できた投資家は、さぞご満悦だろう。

また、そういった投資成功者をみるに、次は自分もと色めき立つ人も多かろう。

これらを、モメンタム投資という。 上手く流れに乗れてウハウハの間は天国だが、読みが外れたらタダの株式だ。

この当たり外れに加え、しかるべき時に売って利益を確定していく、見切り判断も重要となってくる。

多くのモメンタム投資家が陥る失敗が、大出世株を掘り当てたのに、利益確定のチャンスを失ってしまうケースだ。

株価が大きく上がった、すごく儲かっていると喜んでいる間に、株価は下げはじめる。

その株価下落に対し、即座に売り判断できる投資家は少ない。

大半は、せっかくあそこまで上がったのに、こんな下がった株価で売るのは口惜しいと、株価の戻りを待とうとする。

これを高値覚えといって、多くのモメンタム投資家がやらかしてしまう失敗である。

大きな上昇相場が崩れると、そこまでの買い残高が売りの重しとなって、ズルズルと下がっていく。

気がついたら、元の木阿弥に戻ってしまったと悔やむ投資家が、どれほど多いことか。

その点、資産形成の投資では当たった外れたのモメンタム投資とは、一線を画す。

地味な銘柄でも構わないので、「下がったところを買って、高くなるのを待って利益確定する」リズムを大事にする。

そういった長期の株式投資でもって、再現性や安定度の高い資産形成の道を歩んでいくのだ。