NY株式市場が1000ドルを超す下げとなった。 先週に次いで、2度目だ。
企業の業績動向が予想を下回るのを嫌気してとのこと。 下げの要因がどうのこうのは、それこそどうでもいい。
なぜなら、いよいよカネ膨れで支えてきた経済の限界を示唆する、全体下げのサイクルに入っていくのだから。
ここまでは、ゼロ金利と大量の資金供給でもって、企業活動そして経済全般をかさ上げしてきただけのこと。
そもそもが中身を伴っていない。 実体経済から大きく遊離したバブル経済に、米国はじめ先進国が浮かれてきたわけだ。
ここへきて企業の業績が下振れすると懸念するが、もともとカネ膨れしてきた業績が、しぼみだしただけのこと。
いってみれば、バブルの空気が抜けだし始めた。 空気が抜けていけばいくほど、中身のなさが如実となっていく。
一方、世界中で高まりだしているインフレの波、これは実体経済そのものである。
ということは、バブル膨れした業績や経済などは、とうてい抗えない。 どんどんボロが出てくる。
だから、いよいよ売りの連鎖がはじまるぞと、表題に書いたわけだ。
ただ、売りの連鎖といっても、投資家の多くは案外としぶとくバブル相場にしがみつくのかも。
なにしろ、リーマンショック以来の空前の金融緩和に踊ってきた、世界の投資家たちだ。
カネ余りが、もう当たり前になっている。 それで、しぶとく買いポジションを維持しようとする可能性は否定できない。
あるいは、リスク回避で資金を債券投資に向けようとする動きも出てきている。
笑ってしまう。 債券なんて、インフレや金利上昇に最も弱いというのに、リスク回避で債券買いときた。
それほど左様に世界の投資家の多くは、カネ余りバブルが終焉に近づいているなんて、これっぽっちも考えていないようだ。
そうはいえ、インフレ進行とともに金利は上がっていくので、世界のカネ余りは急速にしぼんでいくのは間違いない。
それとともに、投資家たちの足元から土砂が崩れ落ちていくように、買いポジションを手放さざるを得なくなる。
そう遠くない先で、ドスーンと大きな下げに襲われて、本格的な暴落相場に入っていくのだろう。
ずっと書いてきているように、われわれ長期投資家は暴落相場に対する備えは万全である。
もちろん、バブル暴落ともなれば、われわれの投資ポジションもある程度の下げは避けようがない。
ただ、多くのバブル投資家達のように奈落の底に沈んでいくわけではない。
売りもそれほど出てこないから、われわれの投資ポジションの下げは早い段階で収まる。
むしろ、売り地獄の中で敢然とバーゲンハンティングに入っていくチャンス到来となる。
明日は出張で、長期投資家日記お休みです。