日本の10年物国債の流通利回りが、3%台に乗せてきた。 30年ぶりの水準である。
それに対し、株式市場の反応は株高ときている。 金利上昇をさして気にせずといったところだ。
今朝の新聞では、来年度の予算請求が142兆円と、今年度の122兆円を大きく上回るときた。
放漫財政がさらに進む方向にあるが、政府としては成長率を高めて大幅な税収増を狙っているのだろう。
それを受けて、株価は上昇反応でもって政府の政策を支持していると考えられる。
一方、米国の長期金利も昨日には、4.7%台に乗せてきた。 こちらは株価下落という反応だった。
日本と米国では長期金利の上昇に真逆の反応。 さてさて、どちらの方がより合理的だろうか?
いうまでもなく、米国の株価下落反応の方が理に適っている。
金利上昇は企業経営に重しとなってくる。 したがって、株価全般からすれば明らかにマイナス要因である。
まあ、そのあたり目先の展開は、どうでもいい。 それよりも、ここから先の債券市場の動向だ。
おそらくだが、米国でも日本でも債券投資家たちは緊張感を高めていることだろう。
彼らにとって嫌なのは、債券投資家のどこかで売りが出るかもしれないという懸念だ。
日本の3%台でも、米国の4.7%台でも、それだけ債券の価格は下落しているのは間違いない。
債券投資家にとっては、この金利上昇がさらなる債券価格の下落を誘引しないかどうかが気になるところ。
世界中あまたの債券投資家がいて、いずれかの財政状況次第では、投げ売りにもつながりかねない。
そういった投げ売りが、さらなる金利上昇を招く。 そして、さらなる債券売りを誘発することに。
この債券売りの連鎖は一度はじまると、一気に全面売りにつながりかねない。
そう、金利裁定商品の典型である債券では、市場が売りに転じると一方通行的な売りが瞬間に全面安を引き起こす。
思い起こすと、1987年8月に大阪の化学会社が債券先物取引で損失を抱えたという噂が流れた。
それが債券市場の全面売りを誘って、長期債の流通利回りは2.5%ぐらいだったものが12月には6%台にまで跳ね上がった。
これが債券投資の恐ろしさである。 幸か不幸か、1980年代以降、世界の債券投資家は債券市場の全面安を経験していない。
かりに今回の金利上昇で大した波乱がなくとも、いずれは世界の債券市場の大暴落に遭遇しよう。
なにしろ、世界の総債務残高は世界GDPの3.25倍にまで膨れ上がっているのだから。(国際金融協会)
その時は、株式市場はじめ世界の金融マーケット全般が総崩れとなろう。
